ルクラスはこうして生まれた

ルクラスは2013年のある展示会で首からカメラを下げ、息を弾ませて私に質問をしてきた1人の青年との出会いから始まったのです。

そして翌年の5月中旬に青年の同僚がOculus Riftを体験させてくれたのがルクラスを作るそもそものきっかけです。

Oculus Riftは高価でしかも開発者専用で誰でもがOculusの3DVRを体験できるわけではありません。

『何とかしてみんなにもこの感動を伝えたい』と思いその日から試行錯誤の日々が続きました。

何か所もの100円ショップやホームセンターに通い数種類のゴーグルと拡大鏡を買い求めての試作品第一号がこれです。

004

3Dに見えるけれどピントが上手く合いません。

ゴーグルが透明なので周囲の明るさが影響し没入感もイマイチなので今度はゴーグル自体に黒のビニールテープを貼ってみたら没入感がかなりアップしましたが見栄えが悪いのでデザインの変更をすることに…。

005

レンズの度数や素材を模索していた頃の6月28日Goog082l  I/Oで来場者にCardboard VRを配布したニュースが飛び込んできたのです。Cardboardは日本では販売されておらず入手が困難でした。

Cardboardはダンボール紙で出来ており図面が公開されていて、早速作ってみました。A4コピー紙を貼り合わせて大きな型紙を作り、ダンボールに貼り付け、カッターで切り取りました。これなら自社でも作れそうなのでCardboard図面に手を加え制作を開始しました。Androidと iPhone5の両方で使える3Dメガネを目指し、さらに折りたためるように工夫をこらしコンパクトで持ち運びに便利な設計に改良したのです。事前に7月24日の申込みをしていた展示会に何とか間に合わせました。

試作品は黒の他5色。

IMG_6145コピー

展示会当日は皆さんの反応が心配でしたが、心配をよそに、皆さんから『オオ~』『スゴイ』などの歓声があがり大盛況に終わり、これならいける!! と確信しました。いよいよもって大量生産に向けてスタートしましが、価格設定、素材、レンズ、パッケージ、販路など難題が立ちはだかり当初予定していた発売日には間に合いませんでしたが、大勢の関係者の方々にご協力いただきルクラスは誕生したのです。